各スライサーの違い
ネオリニアスライサー(以下NLS)は2014年3月に試作機が生まれ、
その後テストデモを繰り返し改良を重ね、同年12月より受注可能になった
弊社切片作製装置の次世代モデルです。
2001年より生産しているリニアスライサー(以下LS)を現世代モデルとすれば、
初期型から30年以上経っているマイクロ スライサー(以下MS)は
前世代モデルになります。
NLSはLSのビッグマイナーチェンジモデルで、基本機構はほぼ同じです。
LS/NLSとMSの違いは横振り機構にあり、MSがDCモーターからカムを介して
横振りにしているのに対し、LS/NLSは電磁石( リニアモーター形式)で
横振りさせています。
モーターとカムの機構ではどうしても不良振動となる縦振りを抑えきれませんで したが、
理論上直線運動(横振り)のみのリニアモーターはシャーシやカバーの共鳴といった
諸々の条件を入れましても「縦振 り1µm(最大振りでも2µm)以下」での出荷が
可能になりました。(縦振り=不良振動=神経細胞の死滅)
NLSシリーズでは制振台を内蔵し、更に縮まって柔らかい縦振りになっています。
テストデモでは「シナプスのレスポンス(活き)が良い」「不馴れな者でも綺麗に切れる」
「LSより切れ具合がいい」といったお言葉をいただいております。
元来、競合各社の同等品よりも基本性能の高かったMSシリーズですが、
LSシリーズで更に性能が上がり、NLSシリーズでまた さらに上がったと自負しております。
またDCモーターは性質上使えば使うだけ劣化しトルクが減っていくものです。
頻度にもよ りますが、早くて3年でモーターが痛んでくることもあります。
対して電磁石ではそういった劣化する部分がございません。
数 年に一度調整されるのが望ましいでしょう。
LS/NLSは生試料にて最もパフォーマンスを発揮しますが、
固定試料もMS以上に 綺麗に切れるのは上記の横振り機構の違いに依るものです。
より綺麗に薄く切れるのはLSシリーズで、 更により良く切れるのがNLSシリーズとなります。
マイクロスライサー DTK-1000N
弊社スライサーシリーズのエントリーモデルで切片の厚みを司る昇降機構部が手動です。
切片作製する際にダイアル をクルクル回す手間が増えるかわりに、価格を抑えてあります。
アイスバスが取外し式となり、使い易くなっています。
また、不良振動の元であった拡大鏡はオプションになりました。
マニュアル機としております。
マイクロスライサー ZERO1N
試料部の昇降機構部にステッピングモーターを搭載し、便利になっております。
リトラクション機能でブレードを後退させる際、試料を約100µm下げて
刃と試料が接触させないのもステッピングモーター搭載の恩恵です。
アイスバスが取 外し式となり、使い易くなっています。
また、不良振動の元であった拡大鏡はオプションになりました。セミオート機。
マイクロスライサー DTK-3000W
ブレード部の前進幅、切片の厚みをキー入力すれば自動で切っていく
オート機能を搭載しています。
またBTOで70mm×70mmの大きい試料にも対応。
勿論リトラクション機構も搭載。 オート機。 現在は製造終了しております。
リニアスライサー PRO7N
横振り機構を電磁石にし、基本性能を上げたモデル。
操作性はマイクロスライサーZERO1と同様のリトラクション機能付きセミオート機。
アイスバスが取外し式となり、使い易くなっています。
リニアスライサー PRO10
横振り機構を電磁石にし、操作性はマイクロスライサーDTK-3000Wと同様のオート機。
こちらも3000W同様に製造終了しております。
ネオリニアスライサー MT
リニアスライサーPRO7後継機。制振台を内蔵し縦振れを軽減。
切れ味は一段と上がりました。 PRO7の単純明快な操作性を継承したセミオート機。
ブレードホルダーとアイスバスが取り外し式になり清掃が容易に。
ブレードホルダーは滅菌にも対応し、入射角のカスタマイズもオプションで対応しております。
ネオリニアスライサー AT
リニアスライサーPRO10後継機。操作性はPRO10に準じたオート機。
PRO10のオート制御基盤のモダン 化に伴い設計から見直しました。
こちらも制振台を内蔵し縦振れを軽減。切れ味は一段と上がっています。
その他はMTと同様です。